走行性能

■NISMO tuned e-4ORCEにより爽快な旋回加速、ライントレース性を実現。

前後に2基のモーターを搭載し、前後の駆動力と4輪のブレーキを緻密に制御することで操縦安定性を高めるe-4ORCEにも、NISMOは専用チューニングを実施している。シャシーのポテンシャルを最大限に活かし、高速域までコーナリング中の高度なライントレース性を確保するため、高いスタビリティを確保した上で前後モーターの駆動力配分を変更。後輪への駆動力配分を高めている。これにより、前輪をより積極的にコーナリングに用いることを可能とした。同時に後輪のトラクションを増やすことで、コーナー立ち上がりでアクセルを踏み込んでいってもアンダーステアを発生することなく、狙ったラインを思いのままにトレースすることができる、優れたハンドリングを実現している。

■ダウンフォースを向上し、空気抵抗を低減する専用エクステリアを採用。

専用開発したバンパー、ドアアンダーフィニッシャー、リヤディフューザー、そしてNISMOとして追加したリヤデッキスポイラーを採用。走行時の空気抵抗を低減し、ダウンフォースを向上した。リヤデッキスポイラーは電動リヤゲートの機能を損なわないよう軽量化し、空気抵抗低減とダウンフォース向上を両立。リヤバンパーはリヤフォグ、電動リヤゲートキックセンサーを装備しながら、必要な空力性能とダウンフォースを達成した。

■圧倒的加速と日常での伸びの良さを実現。専用パワートレインチューニング。

「より速く、気持ちよく、安心して」。その思想は、専用パワートレインチューニングにも込められている。最高出力は、NISMO B9 e-4ORCEではベース車の290kW*から320kW*へ、NISMO B6 e-4ORCEではベース車の250kW*から270kW*に向上している。さらに、日常ドライブでもその速さと愉しさを感じられることを目指しチューニングを実施。高速道路の追い越し加速やワインディングなど、アクセルを踏み込むシーンで、右足の動きに対して遅れのない電動車ならではのレスポンスと息長く続く加速の良さを実現した。さらに、市街地交差点などでもストレスなく走れるリニアな加速特性のためにSTANDARDとNISMO、2つのドライブモードにも専用チューニングを行なっている。力強いレスポンスと伸びのある爽快な加速をフルに発揮するNISMOモード。扱いやすさとのバランスを重視したSTANDARDモード。いずれもNISMOらしいパフォーマンスを存分に愉しむことが可能だ。＊世界統一基準GTR No21（電動車の出力測定法）に準拠して測定した社内測定値。

■確かな操縦安定性を発揮する専用アルミホイールと専用開発タイヤ。

8.5Jにワイドリム化されたNISMO専用エンケイ製20インチアルミホイールは、軽量化とともにタイヤの接地面積と旋回時の剛性を向上。操舵時の応答性を高め、タイヤの性能を最大限に引き出すことを可能としている。タイヤにはNISMO専用開発のMICHELIN PILOT SPORT EV 255/45R20を採用。「匠」ドライバーが限界評価を繰り返し、コンパウンド、内部構造をチューニング。高い旋回速度にも対応する確かな操縦安定性に加え、特殊吸音スポンジの採用により優れた静粛性も実現している。

■しなやかで安定したコーナーリングを生み出す専用サスペンションとステアリング。

2tを超える車を限界域でも安心して扱える高いスタビリティを重視。その上で速さと軽快さの実現を目指している。このために、フロント＆リヤのスプリング*とショックアブソーバー、フロントスタビライザー、パワーステアリングの特性を変更。「匠」が限界領域まで走り込んでチューニングすることで操舵に対する正確性を向上。タイヤの性能を使い切る高い旋回性能と高速安定性を実現した。さらに専用ショックアブソーバーによりストロークを精緻化し、コーナリング時のロール挙動を制御。荒れた路面やうねった路面でもしなやかで上質な挙動を実現した。また、サスペンションに合わせて、パワーステアリングも専用チューニング。車速に応じてリニアに操舵力を増加させ、しっかり感のある手ごたえと軽快さをバランスさせている。これらのトータルチューニングにより、軽快でタイヤグリップとの対話性に富んだ高次元のステアリングフィールを実現している。＊NISMO B6 e-4ORCEはフロントのみ。

■高性能パッドの採用で制動力を向上するとともに、踏み応えにもこだわった専用ブレーキ。

フロントに高温まで効きの変化が少ないスチール材を配合した高性能パッドを採用し制動力を向上。また、ブレーキ倍力を最適化し、常用域でもしっかりした踏み応えを発揮。高速域では効きを上げてコントロール性と安心感を確保している。さらに、回生制御もチューニングして安心感の高いブレーキフィールを実現した。

■「匠」ドライバーのチューニングによりコントロール性を高めたシャシー制御。

日産アリア NISMOはシャシー制御にも専用チューニングを実施している。VDC/TCSは、「匠」ドライバーによる限界走行も含む走り込みにより、制御時の車両コントロール性を向上させるとともに、スキルの高いドライバーでも運転が愉しめる操縦安定性を実現した。また、ABSはタイヤとブレーキの性能向上に合わせて制御をチューニングし、制動距離を短縮するとともに安心感の高いブレーキフィールを生み出している。

■優れたホールド性、姿勢保持性が、心地良い一体感をもたらす専用シート。

日産アリア NISMOはフロントに専用開発のシートを採用している。シートバックの形状を最適化して車両との一体感をより高めるとともに、パッドのチューニングにより、横Gがかかる状況でもパッドの底付き感がなく、身体をしっかり支える快適なホールド感を追求。さらに、コーナリング中でも滑らない姿勢保持性を生み出すために、身体が触れる部分にスエード調表皮を採用した。これらを「匠」ドライバーの走り込みにより入念なチューニングを行うことで、確かなホールド性と姿勢保持性、フィット感を実現している。