電気自動車とは?
知っているようで、意外と知らない電気自動車のこと
脱炭素、カーボンニュートラルという言葉を頻繁に聞くようになりました。その対応策の一つとして、CO2排出ゼロの電気自動車への注目が高まっています。あらためて電気自動車のことを考えてみませんか。
電気自動車とはどんなもの?
電気自動車とは、ガソリンではなく電気で動く自動車のことです。
ガソリン車との違いや仕組みはご存じでしょうか。
電気自動車はバッテリーに蓄えられた電気でモーターを駆動させるクルマです。
エンジンはモーターに、ガソリンは電気に、ガソリンタンクは電池に置き換わったとイメージしてください。
電気自動車の特徴
電気自動車とCO2
今までのクルマは、マフラーから排気ガスが出ていました。その排気ガスに含まれるのがCO2です。
では、なぜクルマからCO2が出るのでしょうか? ガソリン車はエンジンでガソリンを圧縮・燃焼させて、その力を回転運動に変えることでタイヤを動かします。そのガソリンの燃焼により、CO2が発生します。
一方、電気自動車はバッテリーに貯められた電気でモーターを動かし、タイヤを駆動させます。そのため電気自動車は走っているときにCO2が発生しないので、環境負荷の低減に貢献するクルマといわれるのです。
電気自動車と経済性
電気自動車は、経済性にも優れています。それは、電気自動車はエネルギーを無駄なく効率的に使うことができるからです。
ガソリン車の場合だと、ガソリンの燃焼時に発生するエネルギーのうち、タイヤを動かすための力として使う割合は約4割といわれています。一方、電気自動車は電気を動力に変えるときの効率が9割を超えており、捨ててしまうエネルギーが少なく効率的にエネルギーを使っているといえます。
電気自動車は減速時や下り坂などでは、モーターから電気を発生させ、その電気をバッテリーに貯えることが可能です(回生エネルギーと呼ばれます)。電気自動車は単に電気を消費するだけはなく、時に電気を作って、また走行に活用するといったことが可能で、この点からも効率的なクルマと言えます。
購入時など利用者にとっての経済性
電気自動車は、さまざまな優遇策があるのでとてもお得です。車両購入時には国や自治体の補助金が準備され、自動車に関わる税金も減免があります。
さらに、クルマから電気を取り出して、家や外部での電力供給ができる機器、V2H(Vehicle to Home)やV2L(Vehicle to Load)を購入する場合には、追加の補助金が支給されます。居住地や使用条件によって適用内容は変わります。
また、電気自動車は車検などのメンテナンス費用も抑えることができます。例えば、ガソリン車で必要なエンジンオイル交換などが不要で、モーターで減速できるのでブレーキパッドの消耗も抑えることができます。
電気自動車を運転する魅力
電気自動車は、乗り心地や運転のしやすさの面でも魅力的です。
電気自動車にはエンジンがないので、ガソリン車のようにエンジンで燃焼する音や振動がなく、とても静かに走れます。エンジンを積んだクルマは、走行していない状態であってもアイドリングを行っているため、振動と騒音が発生しますが、一方で電気自動車に搭載されているモーターは、電力が供給されない限り作動しません。そのため電気自動車は、停車時の振動や騒音が発生しません。
また、運転のしやすさでも大きな違いがあります。例えば発進するとき、ガソリン車はアクセルを踏んだ後、空気を燃料と混ぜて燃焼し、ピストンを上下運動させてからクランクシャフトで回転運動に変えるため、すぐには加速しません。一方電気自動車は、電気信号で素早く電流制御を行うため、レスポンス良く、なめらかで力強い発進が可能です。
さらに、電気自動車はモーターによる回生を利用することで、アクセルペダルを戻して強いエンジンブレーキのように減速することも可能です。アクセルペダルの踏み加減でクルマのスピードをコントロールできるので、スムーズな運転操作が可能です。
走っていないときにも活躍する電気自動車
電気自動車は、駐車場に停めている間も有効活用が可能です。電気自動車には大きなバッテリーが搭載されているため、蓄電池として活用することができます。それゆえ「走る蓄電池」としていわれています。
たとえば、太陽光パネルで作られた電気の余剰分を電気自動車に貯めることで、無駄のない電力利用が可能になります。また夜間電力で夜中に電気自動車に電気を貯めておけば、日中の家の電力を電気自動車から賄うことが可能です。
このような電気を中心にした生活が電気自動車なら実現します。
さらに、停電時には非常用電源としても活用できます。